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talk to her

d0021094_1683828.jpg 『トーク・トゥ・ハー』

スペインのある病院で昏睡状態に陥っている二人の女性。
一人の女性の傍らでは毎日彼女に語りかけ、狂おしいほどの愛を捧げる男・ベニグノ。もう一人の女性の傍では、自分の無力さに絶望し現実をなかなか受け入れられず呆然と立ち尽くす男・マルコ。4人の男女それぞれが抱える愛と孤独、生と死、痛みと希望を衝撃的な展開を見せながらも静かに大きな愛の形で描かれる。

『オール・アバウト・マイ・マザー』、新作『帰郷/ボルベール』も大絶賛されたスペインの鬼才、ペドロ・アルモドバル監督の"女性賛歌三部作"の第二部にあたる作品。
新作はまだ見ていないのですが(来週見に行く予定)、ペネロペ・クルスを軸に母、女、を描いているようですが(形は違えど『オール・アバウト・マイ・マザー』も)、今作ではどちらかというと男性二人の内面を深く掘り下げているような展開。
かたやひたすら愛を捧げていられる状況を喜んでいるかにも見えるベニグノと、「自分は愛されない」と相手にも自分にもどこか冷めて心を閉ざしているマルコ。そんな二人が出会い、二人にしか分かり合えない[孤独]を秘める者の絆を築いていく。二人の悲しみと孤独にものすごく共感し、、、うまく言葉にできないけどわかる。同じだと思った。
ベニグノの愛の形は、パトリス・ルコント監督の作品群を彷彿とさせた。
ルコント監督は、「片思いの素晴らしさを最も美しく描く人」だと尊敬しているのですが、ベニグノの愛し方ってまるでルコント映画にでてくる男のよう。
想いを伝えることも遂げることも望みではなく、ただひたすら愛を捧げたい。
あぁぁ、こういうことを言ってるからまともな恋愛ひとつできないんでしょうけど。

話を変えて。タネをひとつずつ明かしていく時間の組み方もアルモドバル監督らしい。要所要所で少しずつ時間を巻き戻し、戻りをしながら「ああ、そういうことか。」と全体の話が見えてくる見せ方(かったるくなったりイライラするんじゃなく、ちゃんと焦点を合わせたメリハリ)はさすがです。
あと、劇中ブラジルの歌手、カタエーノ・ヴェローゾの演奏シーン&歌は本当に感動的だった。
スペインもだけど情熱の国の音楽って、こういう映画にも心にもバツグンに効きます。

映画のキャッチコピーは、
深い眠りの底でも、女は女であり続ける。
なのですが、映画は男性側の語り口で進んでいくのに・・・と途中まで思ってましたが、
このコピーはまさしく!な驚いてしまった「愛の力が起こす奇跡」の発想に、やはりこの監督は女性に対して崇拝に近いほどの愛と尊敬を持っているんだなぁと感じた。
途中、劇中劇のシーンがあるんですが、この描写はいいのか?!ってほどかなり驚いたんですが(『ボルベール』でP・クルスのトイレシーンが話題になったけど、そんなのかわいいもんじゃない?)、
でも決して卑猥でなく、その後の展開にもすごく大きな意味を持つところだし、ここでもやはり監督の女性の神秘と奇跡を崇めるような大きな念が感じられた。
まさに"女性賛歌"の看板(勝手に付けられたとしても)に偽りなし!!
愛は時に大きすぎる代償や痛みを生むかもしれない。でも別の何かの形できっと孤独を癒して救ってくれる。
そう信じたくなるような映画でした。
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by ms.paddington | 2008-01-26 16:59 | 映画
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